2014/11/5 森信三の言葉5 修身教授録抄
【走った距離】 6.21km
【今月の累積距離】 59.61km
【ペース】 平均 6'58"/km、 最高 6'45"/km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 20℃、最低 11℃
【体重】 64.7kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
天分の発揮
この自己の天分を発揮するということですが、
実は単に自分のことだけを考えていたんでは、
真実にはできないことであります。
すなわち人間の天分というものは、
単に自分本位の立場でこれを発揮しようとする程度では、
十分なことはできないものであります。
ではどうしたらよいかというに、それには、
自分というものを越えたある何物かに、
自己をささげるという気持がなければ、
できないことだと思うのです。
慎独とは
われわれが気品のある人間になるためには、何よりもまず
根本のこころの曇りを拭うようにしなければならぬと申したわけですが、
しかしさらに大切なことは、慎独、すなわち、人間がただ一人いる場合にも、
深く己れを慎むということです。
他人と相対する場合、わが内心の曇りをはらって、
常にそのこころの清らかさを保つということも、もとより大切ですが、
しかし気品を高める上から申せば、独りを慎むということの方が、
ある意味ではより大切だとも言えましょう。
「忍」の一字
忍耐ということにはどういう意味があるかと申しますと、
大体二つの方面があるかと思うのです。
すなわち一つには、感情を露骨に現さないようにする、
とくに怒りの情を表さないように努めるという方面と、
今一つは、苦しみのために打ちひしがれないで、
いかに永い歳月がかかろうとも、一たん立てた目的は、
どうしても、これを実現せずんば已まぬという方面とです。
もちろんこの二つは、全然別物ではなくて、
そこには深い関係がありましょう。
そこで普通には、この二つをいずれも「忍耐」という一つの言葉で
表しているわけですが、しかし分ければ、
以上のような二つの方面があると言えましょう。
そこで今この両面を区別して名付けるとすれば、
前のを堪忍と言い、後の方を隠忍と呼んでもよいでしょう。
しかも「忍」の一字に至っては、深く両者に共通しているわけです。
ある一人のお弟子が、梅岩先生に
「忍ということの極致はどういうものでしょうか」とお尋ねしたところ、
梅岩先生答えて曰く「忍は忍なきに至ってよしとす」と言うておられます。
すなわち忍耐の理想は
「やれ我慢する」の「やれ忍耐する」のという意識がなくなって、
それが何でもない、至極当たり前となるのが理想だと言われるわけです。
自修の人
とにかく人間は、「自己を築くのは自己以外にない」ということを、
改めて深く覚悟しなければならぬと思います。
すなわち、われわれの日々の生活は、この「自分」という、
一生に唯一つの彫刻を刻みつつあるのだということを、
忘れないことが何より大切です。
そしてこれすなわち真の「自修の人」と言うべきでしょう。
平常心是道
要するに平生が大事なのです。
このことを昔の人は、「平常心是道」と申しています。
つまり、剣を持ったり、坐禅をしている間だけが修業ではなくて、
むしろ真の修業は、竹刀を捨で坐禅を解いてから始まるというわけです。
人間もこの辺の趣が分かり出して初めて、道に入るのです。
人生は妙味津々
ところが、同じく人生でありながら、
一方にはこれを妙味津々として見る人もあるかと思えば、
他方には、これを苦しみの連続と見る人もあるのは何故でしょうか。
これはマア色々と考え方もありましょうが、一面から申せば、
この人生が苦の世界と見えるのは、
畢竟はまだ自分の「我」に引掛っているからでしょう。
真の面目
今この真面目という字を、真という字の次に、
「の」の字を一つ加えてみたらどんなものでしょう。
そうしますと、言うまでもなく「真の面目」と読まねばならぬことになります。
ところがこうなると、一つの新たなる展開となりましょう。
すなわち真面目ということの真の意味は、
自分の「真の面目」を発揮するということなんです。
こうなると、言い古された、最も平凡と思われていたこの言葉が、
ここに一つの新たなる力を持って臨んでくるのです。
すなわちわれわれは、今や新たなる心構えをもって、
改めてこの言葉と取り組まねばならなくなるのであって、
実際そこには、一種の情熱をさえ感じるほどです。
いわゆる「真面目」という言葉の真意は、
普通に「まじめ」という言巣のリズムによって、ともすれば誤り考えるような、
単に無力なお目出たさでないことが分かるでしょう。
真面目において最も本質的なことは、
何よりそれが全力的な生活でなければならぬということです。
すなわち、力の全充実でなくてはならぬということです。
【今月の累積距離】 59.61km
【ペース】 平均 6'58"/km、 最高 6'45"/km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 20℃、最低 11℃
【体重】 64.7kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
天分の発揮
この自己の天分を発揮するということですが、
実は単に自分のことだけを考えていたんでは、
真実にはできないことであります。
すなわち人間の天分というものは、
単に自分本位の立場でこれを発揮しようとする程度では、
十分なことはできないものであります。
ではどうしたらよいかというに、それには、
自分というものを越えたある何物かに、
自己をささげるという気持がなければ、
できないことだと思うのです。
慎独とは
われわれが気品のある人間になるためには、何よりもまず
根本のこころの曇りを拭うようにしなければならぬと申したわけですが、
しかしさらに大切なことは、慎独、すなわち、人間がただ一人いる場合にも、
深く己れを慎むということです。
他人と相対する場合、わが内心の曇りをはらって、
常にそのこころの清らかさを保つということも、もとより大切ですが、
しかし気品を高める上から申せば、独りを慎むということの方が、
ある意味ではより大切だとも言えましょう。
「忍」の一字
忍耐ということにはどういう意味があるかと申しますと、
大体二つの方面があるかと思うのです。
すなわち一つには、感情を露骨に現さないようにする、
とくに怒りの情を表さないように努めるという方面と、
今一つは、苦しみのために打ちひしがれないで、
いかに永い歳月がかかろうとも、一たん立てた目的は、
どうしても、これを実現せずんば已まぬという方面とです。
もちろんこの二つは、全然別物ではなくて、
そこには深い関係がありましょう。
そこで普通には、この二つをいずれも「忍耐」という一つの言葉で
表しているわけですが、しかし分ければ、
以上のような二つの方面があると言えましょう。
そこで今この両面を区別して名付けるとすれば、
前のを堪忍と言い、後の方を隠忍と呼んでもよいでしょう。
しかも「忍」の一字に至っては、深く両者に共通しているわけです。
ある一人のお弟子が、梅岩先生に
「忍ということの極致はどういうものでしょうか」とお尋ねしたところ、
梅岩先生答えて曰く「忍は忍なきに至ってよしとす」と言うておられます。
すなわち忍耐の理想は
「やれ我慢する」の「やれ忍耐する」のという意識がなくなって、
それが何でもない、至極当たり前となるのが理想だと言われるわけです。
自修の人
とにかく人間は、「自己を築くのは自己以外にない」ということを、
改めて深く覚悟しなければならぬと思います。
すなわち、われわれの日々の生活は、この「自分」という、
一生に唯一つの彫刻を刻みつつあるのだということを、
忘れないことが何より大切です。
そしてこれすなわち真の「自修の人」と言うべきでしょう。
平常心是道
要するに平生が大事なのです。
このことを昔の人は、「平常心是道」と申しています。
つまり、剣を持ったり、坐禅をしている間だけが修業ではなくて、
むしろ真の修業は、竹刀を捨で坐禅を解いてから始まるというわけです。
人間もこの辺の趣が分かり出して初めて、道に入るのです。
人生は妙味津々
ところが、同じく人生でありながら、
一方にはこれを妙味津々として見る人もあるかと思えば、
他方には、これを苦しみの連続と見る人もあるのは何故でしょうか。
これはマア色々と考え方もありましょうが、一面から申せば、
この人生が苦の世界と見えるのは、
畢竟はまだ自分の「我」に引掛っているからでしょう。
真の面目
今この真面目という字を、真という字の次に、
「の」の字を一つ加えてみたらどんなものでしょう。
そうしますと、言うまでもなく「真の面目」と読まねばならぬことになります。
ところがこうなると、一つの新たなる展開となりましょう。
すなわち真面目ということの真の意味は、
自分の「真の面目」を発揮するということなんです。
こうなると、言い古された、最も平凡と思われていたこの言葉が、
ここに一つの新たなる力を持って臨んでくるのです。
すなわちわれわれは、今や新たなる心構えをもって、
改めてこの言葉と取り組まねばならなくなるのであって、
実際そこには、一種の情熱をさえ感じるほどです。
いわゆる「真面目」という言葉の真意は、
普通に「まじめ」という言巣のリズムによって、ともすれば誤り考えるような、
単に無力なお目出たさでないことが分かるでしょう。
真面目において最も本質的なことは、
何よりそれが全力的な生活でなければならぬということです。
すなわち、力の全充実でなくてはならぬということです。
by totsutaki2
| 2014-11-05 22:30
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