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自省録

2013/11/10 冷血

【走った距離】  29.29km
【今月の累積距離】  98.49km
【ペース】 平均 6'14"/km、 最高 5'30"/km
【天気】 雨 
【気温】 最高 23℃、最低 16℃
【体重】  62.9kg
【コース】
自宅~毛馬
【コメント】

トルーマン・カポーティの「冷血」。
農場主の一家4人が2人組の犯人によって惨殺された事件を、
カポーティが加害者を含む事件の関係者にインタビューすることによって、
事件の発生から加害者逮捕、加害者の死刑執行に至る過程を再現した
ノンフィクション・ノベル。
いつか読みたいと思っていたが、
重い題材なので読むのを後回しにしていた。

高村薫さんが日本の報道や小説での殺人事件の描かれ方に違和感を覚え、
検証するために書いた、カポーティの「冷血」ベースの小説「(高村版)冷血」を
読んだ機会に、本家の「(カポーティ)版冷血」読んだ。
「(高村版)冷血」も良かったが、「(カポーティ)版冷血」は
トルーマン・カポーティという天才の為せる技であった。

煉瓦を積んでいくように数十年にわたる事実を積み重ね、
何がこの不条理な事件を引き起こしたのかを、
加害者の幼少期、家族、家族間の心理関係まで踏み込んで解き明かす大作。
タイトルからは感情のない、血腥いストーリーが連想されるが、
カポーティは被害者だけでなく、町の住人、捜査官、そして犯人にまでも
暖かい思いやりを注いでいる。

主人公は、アイリッシュの父親とアメリカンインディアンの母親をもつ、
加害者の一人ペリー。
ペリーの肉親の愛情に恵まれなかった、貧困な少年時代は、
同じカポーティの作品「ティファニーで朝食を」の主人公、
ホリー・ゴライトリーの過去と共通するものがある。
おそらくカポーティの幼少時代とも重なるものがあるのだろう。
「冷血」はカポーティにさらなる富と名声をもたらしたが、
「冷血」以後、カポーティは作品を1つも完成出来なかった。
2013/11/10 冷血_b0217643_15362524.jpg






by totsutaki2 | 2013-11-10 15:38 | 読書

市民ランナーの市井の日常。 日々の出来事、感動を忘れないために
by TOTSUTAKI

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