自省録

2013/3/16 グスタフ・マーラー交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」

【走った距離】  23.4km
【今月の累積距離】  164.205km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 15℃、最低 7℃
【コース】
自宅~会社~淀
【コメント】
マーラー47歳の時の作品。
マーラー自身が初演し耳にすることのできた最後の作品

2部構成 
第1部は中世マインツの大司教のラテン語賛歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」、
第2部は、ゲーテの戯曲『ファウスト 第二部』の最終章。

第1部は荘厳かつ壮大、第2部は寂寥から歓喜へ。

第8番はマーラーの作品とは思えないほど素直で分かりやすい。
さらに雄大なマーラーの交響曲の中でも飛びぬけてスペクタクル。
初演ではマーラーの自作演奏会として生涯最大の成功を収めたのも納得がいく。

プラハにあるマーラーのモニュメント
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第8番はマーラーの作品中最大規模であるだけでなく、
音楽的にも集大成的位置づけを持つ作品として自ら認めていた。
以下はマーラーの手記。
《私は、ちょうど第八番の交響曲を完成させたところです。
これは、これまでの私の作品のなかで最大の最も優れた作品で、
内容的にも形式的にも非常にユニークで、他に例がなく、
言葉で表現することができません。
大宇宙が響きはじめる様子を想像してください。
それは、もはや人間の声ではなく、運行する惑星であり、太陽そのものです》
《これまで書いた私の交響曲は、この交響曲の前奏曲にすぎなかった。
これまでの作品では、主観的な悲劇を扱ってきたが、
この交響曲は、偉大な歓喜の源なのです》

マーラーが満を持してこの超大曲といえる『交響曲第八番』の作曲に挑み、
完成したその作品に、非常に大きな自信を持っていたことが伺える。
 ベートーヴェンの『第九交響曲合唱付』以上の作品を創りたい……と、
多くの作曲者が思い続けた「願望」を、『交響曲第二番「復活」』で成し遂げ、
さらに大きな作品(第三番)とその副産物(第四番)を生み出し、
第五、六、七番で十分に経験を積みあげ、
さらに一段とスケールが大きく、内容的にも最も優れていると自負できる
「千人もの演奏者を必要とする交響曲第八番」を完成させた。

 マーラーは自作の交響曲を誰か個人に献呈することはなかったが、
この作品だけはアルマに捧げた。
しかしそれを決めた。
アルマの回想。
《ある夜、ふと目を覚ますと、人影が幻のように浮かんでいて、
私はとびあがるほど驚いた。
マーラーが暗闇のなかに立って私を見おろしているのだ。
「きみに『八番』を捧げたら、少しは喜んでもらえるかい?」と彼はたずねた。
少しは喜んでもらえるかい、そう彼は言ったのだ! 
私は答えた。
「およしなさい。あなたはこれまで一度だって
だれかになにかを捧げたことなどないじやありませんか。
そんなことをして後悔なさっても知りませんよ!」》


グスタフ・クリムトの
ベートーヴェン・フリーズの騎士
マーラーがモデルとされている。
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CDは
レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー
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第1部

賛歌「来たれ、創造主たる聖霊よ」

来たれ、創造主たる聖霊よ
人間たちの心に訪れ
なんじのつくられし魂を
高き恵みをもってみたしたまえ

慈悲深き主と呼ばれし御身
至高なる神の賜物
それは生の泉・火・愛
そして霊的な聖なる油

(来たれ、創造主よ)

われらが肉体の弱さを
絶えざる勇気を持ち力づけ、
光をもって五感を高め
愛を心の中に注ぎたまえ

(光をもって五感を高め
愛を心の中に注ぎたまえ)

敵を遠ざけて
ただちに安らぎを与えたまえ
先導主なるあなたにならって
われらをすべての邪悪から逃れさせよ。

御身は7つの贈り物により
御尊父の右手の指にいらっしゃる

(御尊父より約束された尊い者なる御身
人の喉に御言葉を豊かに与え給う)

御身によってわれら尊父を知り、
御子をも知らせ給え。
(両位より出現した)聖霊なる
御身をいつの時にも信ぜさせ給え。

(光をもって五感を高め
愛を心の中に注ぎたまえ。
来たれ!創造主なる聖霊よ
慈悲深き主と呼ばれた御身
至高なる神の賜物)

天の喜びを贈り給え
大きな報いを与え給え
争いの結び目を解き、
平和の誓いを堅くし給え。

(ただちにやすらぎを与えたまえ
先導主である御身にならって
われらをすべての悪より逃れさせよ。)

主なる父に栄光あれ

死よりよみがえった
聖なる子、そして聖霊に
千代に渡って栄光あれ。

第2部

ゲーテ『ファウスト』第2部「山峡」から終幕の場

峡谷、森、岩、荒野

神聖な隠者たち(峡谷の間に横たわり、野営する)

合唱と木霊

森は風に揺らぎなびき寄せられ
岩は峙ち、それを支えている
木の根はそれに匍い巡り絡まって
幹は互いに寄りそって天に聳え立つ
谷の激流しぶきをあげてほとばしり、
奥深い岩窟われらを守る宿となる
獅子は親しみ
黙りながら這い回り
聖なる愛に漂う
清浄なこの境地を敬い守る。

法悦の教父(上下に漂いながら)

永遠の歓喜の炎、
灼熱なる愛のきずな、
沸きたぎる胸の痛み
泡立つ神への陶酔。
矢よ、わたしを貫け
槍よ、わたしを突き刺せ、
刺のある棒杖よ、わたしを砕け、
雷光の火よ、わたしを焼け
むなしいすべてのものよ
飛び散り失せて、
久遠なる愛の精髄、その星よ
輝き光れ!

瞑想する教父(低い地所で)

わたしの足元で、岸壁の断崖が
深淵のどっしりした重みに沈み込み
百や千もの小川が輝きながら流れ、
凄まじい滝となり、轟き飛沫上げ落ちる。
樹々の幹が止みがたい自らの衝動によって
まっしぐらに木の幹すくすく伸びるもの
万物を創り、万物を育むのは
全て全知全能の愛のなせる業。
わたしをめぐり凄まじい水音轟かせるが、
森も岩根も波のようにうねるがごとく
豊かな水は優しく親しげにせせらぎ
満々とたたえた水流が互いに渓谷へと
速やかに谷をうるわせて下る。
稲妻は炎をあげて下界に落ち
それは毒と靄を孕む大気を
浄め、それを清らかにする。
これはみな愛の使者、わたしたちのまわりを漂い、
永遠に創造する力を告げ知らしめるのだ。
わたしの胸を燃え立たせる恵みの火を受けたい。
わたしの精神は混濁し、
悩ましい官能の獄舎のなかに
きびしく鎖に繋がれて、苦しんでいる。
おお、神よ。わたしの妄想を静め、
貧しい心に光を与えたまえ。

天使(ファウストの永遠の魂を運びながら、
高い空中を漂う)

霊界の高貴なひとりが
悪から救われた。
どんな人間にせよ、絶えず努力し励むものを
わたしたちは救うことができます。
そのうえにこの人には天上からの
愛が加わったのですから。
至高の幸に祝福された天上の群れが
心から歓んでこの人を迎えるのです。

祝福された少年たちの合唱(山頂を経めぐりながら)

手と手を組んで
たのしく環をつくりましょう。
聖なる思いを
讃え歌いましょう。
神の御教えをこの身に受けて、
安らぎの中に身をゆだね
お前たちが歌う
神の姿を仰ぎ拝むことができましょう。

若い天使たち

愛の豊かな聖なる贖罪の女たちの
手から授けられたあのバラの花が
私たちを助け、勝利を勝ち取らせてくれました。
貴くも気高い仕事は完成されて
この貴重な霊を手に入れることができ、
わたしたち花を撒くと、悪魔は退き、
わたしたちが花で打つと、悪魔は逃げ去りました。
日常の地獄の刑罰を受けるかわりに
悪霊たちは愛の苦悩を感じました。
あの年をとった悪魔の殿様サタンでさえも
鋭い痛みに身を貫かれました。
さあ、歓呼しましょう。成功しました。

完成された天使たち(アルトソロと合唱)

大地の残した屑を運ぶことは、
わたしたちにもつらいことです。
たとえ、それが石綿でできていようとも、
それは決して清浄なものではありません。
強い精神力が
もろもろの地上の元素を
わが身に引き寄せ集めれば
しっかりと結びついた
霊と肉との複合体は、
どんな天使にも二つに分かつことはできません。
ただ永遠の愛だけが、
精神を地上の束縛から引き放つことができるのです。

若く未熟な天使たち

〔岩の頂に霧のようにかかって
その動きも近々と
霊たちのうごめきを
わたしはいま感じ取れます。
(雲がはっきりとしてきて)
天に招かれた少年たちのにぎやかな群れが、
いきいきと動くのが見えます。〕
地上の重荷から解き放たれて、
寄り集まり、輪をつくって、
天界の
新しく美しい春の装いに
元気づけられ、生気を養っているのです。
この人もまず手始めに、
この子供たちに加わって
次第に増えて完成へと高まってゆくのがよいでしょう。

祝福された少年たちの合唱

よろこんで、わたしたちは、
蛹の段階にあるこの方をお迎えします。
そうすれば、わたしたちも一緒に育ち、
きっといつの日か天使になれましょう。
この方にまつわりついている。
繭だまを早く取って差し上げましょう。
彼はもう神聖な命を得て、
美しく大きく育ちました。

マリア崇敬の博士(最も高く、最も清らかな岩窟で)

ここは見晴らしがよく、何にも遮られず
精神はもっとも高められる。
あそこを女たちが通り過ぎてゆく。
上に向かって漂いながら、昇ってゆくのだ。
その真ん中に、星の冠をおつけになった
崇高で美しいお姿、
あれが天の女王だ。
光輝くのでそれがわかる。
(恍惚として)
世界を支配したまう最高の女王よ
青々と張り広げられた
天空の天幕の中に
あなたの神秘をお示しください。
男の胸を真摯に、やさしく動かすもの、
神聖な愛の歓喜をもって
あなたに向かわせるものを
それをどうか受け取り、ご賞味ください。
あなたが気高いお胸からご命令なさいますと
わたしたちの勇気は無敵となり、
わたしたちの乾きを癒してくだされば、
情熱に熱せられた火もすぐに和らぎます。

マリア崇敬の博士と合唱

この上なく美しい意味をもった聖処女
栄光に輝き崇め奉る御母
わたしたちのために選ばれた女王
神々に等しい御方。
(栄光の聖母 宙に漂い近づく)

合唱

手を触れることのできないあなた様ですが、
誘惑に陥りやすい者たちが、
あなたにお慕い申し上げ、おすがりしますのは
禁じられてはなりませぬ。
弱さに引き込まれたこの女たちは
容易に救うことはできません。
けれど、たれが一人の力で情欲の鎖を
断ち切ることができましょう。
滑らかな斜面の床の上では
たれが足を滑らさないことができましょうか。
(意味ありげな眼差しや会釈、柔らかい愛撫するような
息づかいに、誰が惑わされずにいられようか。)
(栄光の聖母 宙に漂い近づく)

贖罪の女たちと一人の告白する女の合唱(グレートヒェン)

御身は永遠の御国の高みを
天翔け漂い、行きたまう。
わたしたちの願いをお聞きくださいませ。
たぐいなき御身、
豊かな恵みのあなた様。

罪深き女(「ルカによる福音書」第7章37節)

パリサイ人らの嘲りを受けながらも
神へと浄められた御子の御足に、
香油に代えて涙を注いだ
この愛にかけて。
薫り高いしずくを
滴らしたあの器にかけて、
柔らかに尊い御手足を
お拭いした髪にかけて。

サマリアの女(「ヨハネによる福音書」第4章)

その昔にアブラハムが家畜を
連れて行かせた泉にかけて。
救世主の御唇に
涼しく触れ得る水瓶。
その泉から今絶え間なく流れ出て
永遠に澄み、豊かにあふれて、
世界の隅々までも潤し、豊かな清泉。
これらすべてにかけてお願い申し上げます。

エジプトのマリア(『聖徒行状記』)

主の憩い安らいたもうた、
畏くも聖なる場所に。
わたしを寺院の門外へと
突き戻された戒めの御手。
ただひたすらに砂漠で祈り上げ、
忠実に勤めました40年間の懺悔。
わたくしが砂に書き残した至福なる辞世の言葉。
これらすべてにかけてお願い申し上げまする。

3人いっしょに

大きな罪を犯した女たちにも
お側近くに寄ることをお咎めもなく、
懺悔がもたらす功徳をも
永遠のよすがに高めたもうあなた様。
なにとぞこの善良な魂にも
それにふさわしいお赦しの慈悲をお与えくださいまし。
ただ一度自分を忘れただけで、
わが身の過ちすら気づかなかったこの身でございます。

懺悔する女(かつてグレートヒェンと呼ばれたもの。聖母マリアにすがって)

類いなきあなた様
限りない光に包まれていらっしゃるあなた様
どうぞわたくしの幸福をご覧くださいませ。
どうぞ慈悲深いお顔をお向けくださいませ。
むかしお慕い申した方で
今はもう濁りなき方が
あの人が帰っておいでになりました。

祝福された少年たち(輪を描いて近づいて来る)

その方はわたしたちよりも大きくなって
手足も逞しくなりました。
わたしたちの心づくしに、
忠実に報いてくださるでしょう。
わたしたちは人の世の集まりから
早く離れてしまいましたが、
このお方はそこで多くのことを学んで来られたのです。
わたしたちにもきっと教えてくださるでしょう。

懺悔する女(グレートヒェン)

気高い聖霊の群れに囲まれて、
新参のあの方はご自分がどうなったかわからない様子。
新しい生命にまだお気づきではありません。
それでももう神聖な方々に似てまいりました。
ご覧くださいまし、あらゆる地上の絆を
断ち切って、古い衣を脱ぎ捨てました。
そして、あらたに纏った霊気の衣の中から
真新しい青春の力が現れております。
あの方に教え導くことをお許しください。
あの方はまだ新しい光を眩しがっておられます。

栄光の聖母(そして、合唱)

さあいらっしゃい。お前はもっと天空へ昇ってお行き。
お前がいると、その人もついて行くでしょうから。

マリア崇敬の博士(深くうつむき伏して、礼拝しながら)(そして、合唱)

すべての悔いを知る心優しき者よ。
祝福されたその至福の運命に
感謝しながら従う身になるためには、
救いの手の眼差しを仰ぎ奉れ。
すべてのよき心映えの者は
御身に仕え奉らせたまえ。
処女よ、御母よ、女王よ!
女神よ、とわに恵みを与えたまえ。

神秘の合唱

すべて移ろい過ぎゆく無常のものは
ただ仮の幻影に過ぎない。
足りず、及び得ないことも
ここに高貴な現実となって
名状しがたきものが
ここに成し遂げられた。
永遠の女性、母性的なものが
われらを高みへと引き上げ、昇らせてゆく。


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by totsutaki2 | 2013-03-16 22:00 | 音楽

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