自省録

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2012/7/31 リトルシスター

【走った距離】  6.6km
【今月の累積距離】  353.82km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 36℃、最低 29℃
【体重】  63.5kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
リトルシスター

村上春樹訳のフィリップ・マーロウ第3作。
1940年代のロサンジェルスの推理小説のはずだが、
いつものように「ねじまき鳥クロニクル」や「海辺のカフカ」を読んでいる気になる。
常に依頼者に翻弄され、警察に睨まれるマーロウだが、
今回は依頼者の罠に嵌り、警察に逮捕される。
チャンドラーがハリウッドで脚本家をしていた時期の作品で、
十分な推敲ができずチャンドラー自身が気に入っていない作品。
プロットも整理が不十分で、複雑な真相を理解するには、
マーロウの科白をいくつも組み合わせないといけない。
それでもよく分からない(笑)。
それにもかかわらず村上春樹が「愛おしい」というのは、
依頼者のキャラクターと、マーロウとの「吹っ飛んだ」会話のため。
チャンドラーのフィリップ・マーロウ作品は全7作。
これからも翻訳を続けてくれるそうなので楽しみ。
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by totsutaki2 | 2012-07-31 22:20 | 読書

2012/7/30 蜘蛛巣城

【走った距離】  5.97km
【今月の累積距離】  347.22km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 36℃、最低 29℃
【体重】  63.7kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
黒澤明がマクベスを戦国時代に翻案した映画。
マクベスを読んで、再び観たくなった。
一の砦の大将 鷲津は物の怪から北の館の主になり、
いずれは蜘蛛巣城の城主になると予言される。
城主を謀殺し、予言を実現するが、
隣国の支援を受けた旧主の嫡男に攻め込まれ、
最後は家臣の弓で倒される。
ほぼシェイクスピアの戯曲と同じモティーフ。
ラストの三船敏郎が矢襖を受けるシーンが有名だが、
奥方役の山田五十鈴が素晴らしい。
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by totsutaki2 | 2012-07-30 22:56 | 映画

2012/7/29 軽い熱中症

【走った距離】  30.5km
【今月の累積距離】  341.25km
【天気】 晴れ 
【気温】 最高 34℃、最低 29℃
【体重】 61.8kg
【コース】
毛馬~枚方新橋
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【コメント】

天気は薄曇り。
直射日光ではないので熱中症の心配はないと思ったのだが、
豊里大橋と鳥飼大橋の中間地点で走れなくなった。
毎年夏の時期には意識がすこしぼやけることがあるが、
今回は意識ははっきりしている。
脚も大丈夫。
しかし走れない。
軽い熱中症。

一緒に走っていたM本さん、55ishibashiさん、師匠に
次の水飲み場まで歩いてもらった。
水飲み場で頭と首筋に水をかぶる。
首筋が腫れたような鈍い感覚。
皆さんに先に行っていただき、ベンチで横になる。
10分ほど眠ると大分すっきりとしたので、
ポカリスェットを飲んで枚方新橋まで走る。
途中で新橋から折り返してきたM本さんに会う。
枚方新橋では55ishibashiさんと師匠が待ってくれていた。
その後師匠と枚方凍氷へ。
今日は走れないので歩いてもらった。
コーラ氷を食べてかなり復活。

来週からは早め、大めに水を飲むように心掛けたい。

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by totsutaki2 | 2012-07-29 20:03 | ランニング

2012/7/28 マクベス

【走った距離】  27.36km
【今月の累積距離】  310.75km
【ペース】 平均 6'14"/km、 最高 5'44"/km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 35℃、最低 29℃
【体重】  62.7kg
【コース】
毛馬~枚方新橋
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【コメント】
マクベス
ウィリアム・シェイクスピア
福田恆存訳、新潮文庫
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ハムレットが悲劇に巻き込まれたのに対し、
マクベスは主君を裏切り、暗殺して悲劇を巻き起こす。

犯行前の躊躇、優柔不断、
犯行後の乱心、
極限状況の人間の弱さ、自らの心に追いつめられる心理の変化を
リズム感のある簡潔な文章、豊かな表現力で、冷徹に描く。
古典中の古典であるが、戯曲「マクベス」が白日に曝しているのは、
時代の垣根も世界の垣根も越えた、普遍的なす人間心理。

シェークスピアの戯曲というと、ロミオとジュリエットやベニスの商人、
真夏の夜の夢のような長台詞と洪水のようにあふれる表現をイメージしたが、
マクベスは文章、表現とも驚くほどシンプル。
それがリズム感を産み出している。

魔女の予言を受けるマクベス

マクベス    口をきげ、出来るものなら。いったい何者だ、貴様たちは?
第一の魔女  よう戻られた、マクベス殿! お祝い申しあげますぞ、グラミスの領主様!
第二の魔女  よう戻られた、マクペス殿! お祝い申しあげますぞ、コーダの領主様!
第三の魔女  よう戻られた、マクペス殿! いずれは王ともなられるお方!

主君殺しをマクベスに奮い立たせるマクベス夫人

マクベス夫人 烏の声もしわがれる、
運命に見入られたダンカンが私の城に乗りこんで来るのを告げようとして……
さあ、血みどろのたくらみごとに手を貸す悪霊たち、私を女でなくしておくれ、
頭の天辺から爪先まで、恐ろしい残忍な心でいっぱいにしておくれ! 
この血をこごらぜ、優しい情けの通い路をふさいでおくれ、
押寄せる悔いの重荷に、この酷たらしい心がぐらつき、
弱々しく潰え去ったりしないように! 
さあ、人殺しの手先ども、このふくよかな女の胸に忍びこみ、
甘い乳を苦い胆汁に変えてしまっておくれ、
今も今、その見えぬ姿で、どこか悪事のかげをうろつきまわっているお前たち、
何をぐずぐずしているのだ! 
さあ、暗黒の夜、早く、ここへ、どすぐろい地獄の煙に身を包んで! 
私の鋭い匕首に、己れの造る傷口を見せないように、
天が闇のとばり越しに「待て!」と叫んだりしないように!


逡巡するマクベス

マクベス   やってしまって、それで事が済むものなら、
早くやってしまったほうがよい。
暗殺の一網で万事が片附き、引きあげた手もとに大きな宝が残るなら、
この一挙がすべてで、それだけで終りになるものなら……
あの世のことは頼まぬ、ただ時の浅瀬のこちら側で、
それですべてが済むものなら、先ゆきのことなど、
誰が構っておられるものか。
だが、こういうことは、かならず現世で裁きが来る-
誰にでもよい、血なまぐさい悪事を唆してみろ、
因果は逆にめぐって、元兇を倒すのだ。
この公平無私の裁きの手は、毒酒の杯を、
きっとそれを盛った奴の唇に押しつけて来る。
王が今ここにいるのは二重の信頼からだ。
まず、おれは身内で臣下だ、いずれにしろ、そんなことはやりっこない、
それに、今夜は主人役、逆意をいだいて近よる者を防ぐ役目、
それがみずから匕首をふりかざすなど、もってのほかだ。
そればかりか、ダンカンは、生れながらの穏和な君徳の持主、
王として、一点、非の打ちどころがない、うっかり手をくだそうものなら、
その平素の徳が、天使のように大声で非道の罪を読みあげよう、
そして憐みという奴が、生れたての赤子の姿を借り、疾風にのって駆けまわる、
天童たちも眼に見えぬ大気の早馬に打ちまたがって御出馬だ、
それが世人の眼に無慚な悪行を吹きっける、そうなれば、涙の雨で風も凪ごう。
それに逆らってまで、意中の馬にあてる拍車は一つもない、
ただ野心だけが跳びはねたがる、跳びのったはよいが、
鞍ごしに向う側に落ちるのが閲の山かー


主君を殺し、茫然自失となるマクベスと冷静に対処するマクベス夫人

マクベス    「もう眠りはないぞ!」その声が城の中にこだましていた、
「グラミスが眠りを殺してしまった、おかけでコーダはもう眠れない、
マクペスはもう眠れないぞ!」

マクベス夫人 誰がそんなことを? さっきから、たわいのないことばかり、
せっかくふるい立たせた男気を御自分で突きくずすようなもの。
さ、早くその手から罪のしるしを洗いおとして。
どうしてその短剣を持っていらしたのです? 
あの部屋においておかなければなりません、返していらっしゃい、
そして、あの二人の護衛に血を塗りつけてくるのです。

マクペス    もう行くのはいやだ。自分のやったことを、考えただけで、ぞっとする、
それをもう一度見るなどと、とても出来ない。
マクベス夫人 腑甲斐のない! 短剣をおよこしなさい。
眠っている人間や死人は人形同然。
子供ででもなければ、誰が絵に描いた悪魔をこわがるものですか。
血を流していたら、その血で護衛の顔を化粧してやる、
どうしても二人の仕業と見せかけなければ。

(上の部屋へあがって行く。外から門を叩く音が開えてくる)
マクベス    あの戸を叩く音は、どこだ? 
どうしたというのだ、音のするたびに、びくびくしている? 
何ということだ、この手は? ああ! 今にも自分の眼玉をくりぬきそうな! 
大海の水を傾げけても、この血をきれいに洗い流せはしまい? 
ええ、だめだ、のたうつ波も、この手をひたせば、紅一色、
緑の大海原もたちまち朱と染まろう。

マクベス夫人 私の手も、おなじ色に、
でも、心臓の色は青ざめてはいない、あなたのように。

(戸を叩く音)
南の戸を叩いている。戻りましょう、部屋へ。
ちょっと水をかければ、きれいに消えてしまう、
何もかも。訳もないこと!勇気をどこかへ置き忘れておいでらしい。

(戸を叩く音)
そら!また、叩いている。さ、夜着をお召しになって、
誰かに起されても、ずっと寝ずにいたと感づかれないように。
そんな、何かに心を奪われているような様子は禁物、元気をお出しになって。

マクベス   自分のやったことを憶い出すくらいなら、
何も知らずに心を奪われていたほうがましだ。

(戸を叩く音)
ああ、その音でダンカンを起してくれ! 
頼む、そうしてくれ、出来るものなら!
 
(二人退場)

マクベスの最後

マクペス   いくらあがこうと、むだだ。
貴様の剣がどれほど鋭かろうと、この手ごたえなしの空気は斬れぬ、
おれの体に傷はつけられぬぞ。
その手に負える相手をぬらえ、おれの命はまじないつきだ、
女から生れた人間には手がつけられないのだぞ。

マクダフ   ふむ、そんなまじないの効きめ、いつまで続くものか、
もうだめだぞ。
貴様が大事に奉っている悪魔の手先に、もう一度うかがいをたててみろ、
このマクダフは生れるさきに、月たらずで、母の胎内からひきずりだされた男だぞ。

マクペス   畜生、憎いその舌の根、その一言で気もくじけた! 
あのいかさまの鬼婆め、もう信用しないぞ、
このおれをことごとに二重の罠に引掛け、約束は言葉どおりに守りながら、
最後には、まんまと裏をかく。よせ、貴様を相手にしたくない。

マクダフ   卑怯者、それなら剣を棄て、生きて世間の見せものになれ。
怪物よろしく、貴様の絵姿を看板にかかげ、その下にこう書いてやる、
「さあ、さあ、暴君を御覧よ」とな。

マクベス   誰が膝まずいてマルコムの足をなめ、衆愚のやじを浴びるものか。
たとえバーナムの森がダンシネインの城に迫ろうと、
女から生れぬ貴様を相手にしようと、
さあ、これが最後の運試しだ。
このとおり頼みの楯も投げすてる、打ってこい、マクダフ、
途中で「待て」と弱音を吐いたら地獄落ちだぞ。

(二人は城壁の下を、右に左に斬り結ぶ。マクベス、ついに殺される)

きれいは穢ない、穢ないはきれい。さあ、飛んで行こう、霧のなか、汚れた空をかいくぐり。

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by totsutaki2 | 2012-07-28 19:09 | 読書

2012/7/27 ダライ・ラマのツイッター30

【走った距離】  6.2km
【今月の累積距離】  283.39km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 35℃、最低 29℃
【体重】  64.0kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】

People in every part of the world are fed up with violence; increasingly people are looking for ways to create peace.

世界中の人々が暴力に飽き飽きしている。平和を築く方法を探し求める人々が増えている。

Understanding the advantages and drawbacks of particular emotions and applying our intelligence, we can transform our minds.

特定の感情の良いところと悪いところを理解し、知性的に考えることによって、
我々は自らの心を変化させることができる。

We have the source of contentment and happiness within ourselves, and it is related to nurturing our natural inner values.

我々は自らの内に満足と幸せの素をもっている。
そしてその素は我々の本当のこころの価値を育むことに関係している。

It is important for us to examine our motivation in our day to day life.

日々の生活における動機を検証することが重要である。

More important than being loved is to love.

愛されることよりも大切なことは愛すること。
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by totsutaki2 | 2012-07-27 21:51 | 心の使い方

2012/7/26 ニュースはどこから?

【走った距離】  6.61km
【今月の累積距離】  277.19km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 35℃、最低 29℃
【体重】  64.4kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】

ユーロニュース(EuroNews)はヨーロッパのニュース専門チャンネルである。
ヨーロッパの視点でニュースを伝えている。
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ホームページで面白い投票結果が載っていた。
「日々のニュースはどこから手に入れていますか?」

最も多いのがインターネットでなんと80%、
次がテレビで11%、
ラジオが4%で
新聞は3%しかない。

スマホの影響でインターネットでニュースを得ている人が多いのだろう。
日本でも電車の中でスマホを見ている人が増え、
新聞を読んでいる人をあまり見かけなくなった。
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by totsutaki2 | 2012-07-26 22:44

2012/7/25 ダライ・ラマのツイッター29

【走った距離】  6.07km
【今月の累積距離】  270.58km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 33℃、最低 28℃
【体重】  63.9kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】

Kindness and a good heart are the underlying foundation for success in this life and making progress on the spiritual path.

親切と正しい心を基本にして人生の成功を実現し、精神的な行程を前進することができる。

Anger destroys our peace of mind and our physical health. We shouldn’t welcome it or think of it as natural or as a friend.

怒りによってこころの平和と体の健康が損なわれる。我々は怒りを歓迎してはならないし、
怒りを自然なことだとか、友であるとか考えてはならない。

A good way to work for a more peaceful world is to develop concern for others.

より平和な世界のために働く良い方法は他人への思いやりの心を育てることである。

We need to relate to each other out of compassion, with a sense of connection to each other and a deep recognition of our common humanity.

我々は思いやりの心から、お互いに結ばれているという気持ちとともに、共通の慈悲心を深く認識して、お互いに関係する必要がある。

A calm mind is good for our physical health, but it also enables us to see things more realistically.

平静な心によって体が健康になるだけでなく、より現実的に物事を理解できるようになる。
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by totsutaki2 | 2012-07-25 22:27 | 心の使い方

2012/7/24 キャッツ

【走った距離】  6.09km
【今月の累積距離】  264.51km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 33℃、最低 28℃
【体重】  64.0kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
T.S.エリオット「キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法」

ミュージカル「キャッツ」の原作。

出てくる猫は

おばさん猫 ジェニィエニィドッツ
海賊猫 グロウルタイガー
あまのじゃく猫 ラム・タム・タガー
どろぼう猫 マンゴジェリーとランペルティーザー
長老猫 デュートロノミィー
親分猫 ランパスキャット
魔術師 ミストフェリーズ
犯罪猫 マキャヴィティ
劇場猫 ガス
大人物 バストファー・ジョーンズ
鉄道猫 スキンブルシャンクス
門番猫 モーガン

ミュージカルとほぼ同じ。
親分猫 ランパスキャットと門番猫 モーガンが原作のみで
逆にミュージカルの主役の
娼婦猫 グリザベラ
がいない。
詩はミュージカルとほとんど同じ。
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by totsutaki2 | 2012-07-24 21:58 | 読書

2012/7/23 太田屋 夏の生酒試飲会

【走った距離】  6.48km
【今月の累積距離】  258.42km
【天気】 くもり 
【気温】 最高 31℃、最低 24℃
【体重】  63.7kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
生原酒と火入れした酒
精米歩合の高低(50%以下のものが吟醸酒)
純米酒と醸造酒
日本酒の味わいの深さを堪能。
さらに精米歩合は80%だが手間をかけた吟醸造りのお酒や
酒米を使わず食用米を使ったお酒、
生原酒の燗酒などバリエーションが楽しかった。

蔵元さんとの話も楽しく、勉強になる。
わずか4名で酒造りをしている蔵、
蔵元が杜氏を兼ねている蔵、
蔵人が春から夏は営業をしている蔵、
皆さん頑張っている。
また好きな銘柄が増えた。

朝日酒造 久保田
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今西清兵衛商店 春鹿
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梅乃宿酒造 梅乃宿
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梅錦山川 梅錦
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下村酒造 奥播磨
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増田徳兵衛商店 月の桂
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山野酒造 片野桜
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良かったのはここまで。
利き酒を飲みすぎて懇親会では席を外して寝てしまいました。
まだまだ修養が足りないことがよく分かりました。
失礼しました。

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by totsutaki2 | 2012-07-23 23:03 |

2012/7/21 ハムレット

【走った距離】  19.55km
【今月の累積距離】  235.97km
【天気】 晴れのち雨 
【気温】 最高 31℃、最低 27℃
【体重】  63.8kg
【コース】
枚方新橋~豊里大橋
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【コメント】
ハムレット
ウィリアム・シェイクスピア
福田恆存訳、新潮文庫
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ハムレットというと優柔不断の典型として扱われるが、
原作を読んだ印象は強い意志と果敢な行動力の人。

優れた人物が父王の復讐を遂げつつも、
図らずも毒薬に倒れざるを得なかったところが、
四大悲劇の四大悲劇たるところ。

余りにも有名な台詞

To be, or not to be: that is the question.

生か、死か、それが疑問だ、
どちらが男らしい生きかたか、
じっと身を伏せ、不法な迎合の矢弾を堪え忍ぶのと、
それとも剣をとって、押しよせる苦言に立ち向い、
とどめを刺すまであとには引かぬのと、一体どちらが。
いっそ死んでしまったほうが。
死は眠りにすぎぬ---それだけのことではないか。
眠りに落ちれば、その瞬間、一切が消えてなくなる。
胸を痛める憂いも、肉体につきまとう数々の苦しみも。
願ってもないさいわいというもの。
死んで、眠って、ただそれだけなら! 
眠って、いや、眠れば、夢も見よう。
それがいやだ。
この生の形骸から脱して、永遠の眠りについて、
ああ、それからどんな夢に悩まされるか、
誰もそれを思うと--いつまでも執着が残る、こんなみじめな人生にも。
さもなければ、誰が世のとげとげしい非難の鞭に堪へ、
権力者の横暴や奢れるものの蔑みを、黙って忍んでいるものか。
不実な恋の悩み、誠意のない談判のまどろこしさ、
小役人の横柄な人あしらい、
総じて相手の寛容をいいことに、のさばりかえる小人輩の傲慢無礼、
おお、誰が、好き好んで奴らの言いなりになっているものか。
その気になれば、短剣の一突きで、いつでもこの世におさらば出来るではないか。
それでも、この辛い人生の坂道を、不平たらたら、汗水たらしてのぼって行くのも、
なんのことはない、ただ死後に一抹の不安が残ればこそ。
旅だちしものの、一人としてもどってきたためしのない未知の世界、
心の鈍るのも当然、見たこともない他国で知らぬ苦労をするよりは、
慣れたこの世の煩いに、こづかれていたほうがまだましという気にもなろう。
こうして反省というやつが、いつも人を臆病にしてしまう。
決意の生き生きした血の色が、憂鬱の青白い顔料で硬く塗りつぶされてしまうのだ。
乾坤一擲の大事業も、その流れに乗りそこない、行動のきっかけを失うのが落ちか--


Get thee to a nunnery!

ちゃんと知っているぞ。
きさまたちは、神から授った顔があるのに、それを紅白粉で塗りたくり、
まったく別物の仮面をつくりあげる。踊り狂う。尻をふる。
甘ったれた口をきく。
神の造ったものに妙な糾名をつける。
あげくのはては、とんでもないふしだらをしでかしておいて「いけなかったの?」
などとぬけぬけと。
ええい、もう我慢ができぬ。
おかけで気が狂った。
結婚などいうものは、もうこの世から消えてなくなれ--
すでにしてしまったものはしかたがない。
ま、生かしておいてやろう、一組を除いてはな。
が、ほかのものは、いまのまま生涯ひとりでいるのだぞ。
さ、行ってしまえ、尼寺へ。


小川のふちに柳の木が、白い葉裏を流れにうつして、斜めにひっそり立っている。
オフィーリアはその細枝に、きんぽうげ、いらくさ、ひな菊などを巻きつけ、
それに、口さがない羊飼いたちがいやらしい名で呼んでいる紫蘭を、
無垢な娘たちのあいだでは死人の指と呼びならわしているあの紫蘭をそえて。
そうして、オフィーリアはきれいな花環をつくり、
その花の冠を、しだれた枝にかけようとして、よじのぼった折も折、
意地わるく枝はぽきりと折れ、花環もろとも流れのうえに。
すそがひろがり、まるで人魚のように川面をただよいながら、
祈りの歌を口ずさんでいたという、死の迫るのも知らぬげに、
水に生い水になずんだ生物さながら。
ああ、それもつかの問、ふくらんだすそはたちまち水を吸い、
美しい歌声をもぎとるように、あの憐れないけにえを、
川底の泥のなかにひきずりこんでしまって。
それきり、あとには何も。

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by totsutaki2 | 2012-07-21 18:36 | 読書

市民ランナーの市井の日常。 日々の出来事、感動を忘れないために
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