自省録

カテゴリ:読書( 231 )




2016/3/18 チェルノブイリの祈り4

【走った距離】  6.24km
【今月の累積距離】  195.97km
【ペース】 平均 6'17"/km、 最高 6'03"/km
【天気】 曇りのち雨 
【気温】 最高 19℃、最低 5℃
【体重】  64.8kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
母親

私の娘、あの子はほかの子とちがうんです。
大きくなったら私にたずねるでしょう。「どうして私はみんなとちがうの?」
娘は、生まれたとき赤ちゃんではなかった。
生きている袋でした。
からだの穴という穴がふさがり、開いていたのはわずかに両目だけでした。
カルテにはこう書かれています。
「女児。多数の複合異常を伴う。肛門無形成、膣無形成、左腎無形成」。
これは医学用語ですが、ふつうにいえば、
おしっこもうんちもでるところがなく、腎臓が一個だけ。
私は生後2日目の娘を抱いて手術室につれていきました。
生まれて2日目。
娘は小さな目をあけて、にっこり笑ったようでした。
最初、私は思ったんです。この子は泣きだしたいだろうにと。

ああ、神さま、この子はほほえんだのです。

娘のような子どもは生きられません。
すぐに死んでしまうんです。
娘は死ななかった。
私がこの子を愛しているから。
4年間に4回手術を受けました。
こんな複合異常かありながら生きているのは、ベラルーシにこの子ひとりだけです。
私は娘をとても愛しています(沈黙)。
私はもうこれ以上子どもは生めない。とても生む気になれません。
罪。
恐怖。
医者が話しているのが聞こえたんです。
「とんでもない不幸を背負って生まれた子だよ。
テレビに出したら、母親たちは子どもを生まなくなるだろう」。
話題にのぼっていたのは私たちの娘のこと。

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by totsutaki2 | 2016-03-18 22:36 | 読書

2016/3/17 チェルノブイリの祈り3

【走った距離】  6.35km
【今月の累積距離】  189.73km
【ペース】 平均 6'16"/km、 最高 6'04"/km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 19℃、最低 2℃
【体重】  65.2kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
バイアスのかかっていないレポート

今や新聞、TVが信じられない
自分の都合の良い情報を流す
左も右も
ネットで情報を採り、自分で匂いを嗅ぎ分け、
自分の理性、経験、良識、信条に照らし合わせて判断するしかない

このインタビューは信じられそうな気がする
生臭くない


兵士たちの合唱

ぼくは軍人だ。命令されたら、やらねばならない。
あそこに発つ前には恐ろしいと思ったよ、ほんの一時。
ところが、あそこでは恐怖が消えていくんだ。
恐怖が目に見えないんだから。
朝から夜まで飛んだ。作業、垂労働。
夜は、テレビの前にすわった。
ちょうどサッカーのワールドカップをやってたんです。
もちろん、話題はサッカーのことだよ。
 ぼくらは考え込むようになった。
たしか、3年がすぎたころだよ。
ひとり、ふたりと発病したときです。
だれかが死に、気がふれた。自殺者もでた。
それで、考え込むようになったんだ。
ぼくはアフガンに2年いたし、チェルノブイリに3ヶ月いた。
人生でもっとも輝いていた時期なんだ。
 チェルノブイリに送られたことは両親には伏せていた。
弟が、偶然『イズベスチヤ』〔新聞〕を買い、ぼくの写真をみつけて母に見せた。
「ほら見て、兄さんだよ。英雄なんだ!」。
母さんは泣きだしたよ。

                ◇

ぼくは行った。行かなくてもよかったんだが、志願したんです。
家に帰った。
あそこで着ていたものはすっかり脱いで、ダストシュートに投げこんだ。
パイロット帽だけは幼い息子にやったんです。とてもほしがったから。
息子はいつもかぶっていた。
2年後、息子に診断がくだされた。
脳浮腫……このさきはあなたが書いてください。
ぼくはこれ以上話したくない。

                ◇

ぼくはもう死はこわくない、死そのものはね。
しかし、ぼくはどんなになって死ぬんだろう。
友だちは死ぬとき、むくんで腫れた。樽のように大きく。
近所の男はあそこでクレーン操作係だった。
そいつは石炭のようにまっ黒になり、やせこけて子どものように小さくなって死んだ。
ばくはどんなになるんだろうか。わからない。
ひとつだけはっきりしているのは、ぼくにくだされた診断じゃ、
そう長くはもたないってことです。
その瞬間を感じとることができれば、額を撃ち抜くんだが……。
ぼくはアフガンにも行ったんです。あそこならもっと簡単ですよ。撃ち抜くのは。

                ◇

行くべきか、行かざるべきか? 飛ぶべきか、飛ばざるべきか?
ぼくはコミュニストだ、飛ばないわけにはいかなかった。
パイロットが2人拒否した。
妻が若く、子どもがまだいないからといって。
そいつらは軽蔑され、罰せられた。昇級はストップです。
さらに男の裁判。男の名誉が問われる。
いいですか、これは意気込みなんです。
やつはできなかった、だが、おれは行くぞという。
いまはそうは思いません。
9回手術をし、心筋梗塞を2回起こしたあとではね。
あいつらを裁くつもりはないし、あいつらの気持ちもよくわかるんです。
若い連中なんです。
しかし、ぼく自身はやっぱり飛んでいただろう。
ほんとうですよ。やつはできなかった、だが、ぼくは行く。
男の問題なんですよ。
上空から大量の兵器が戦いをいどんでいた。
大型ヘリコプター、中型ヘリコプター。MI-24、これは戦闘用ヘリコプターです。
戦闘用ヘリに乗ってチェルノブイリでなにができるんだろう?
あるいは戦闘機MI-2で? パイロットは若い連中で、全員アフガン帰りでした。
アフガンだけでいいだろ、あそこで戦うだけ戦ってきたんだぜ。
そんな雰囲気がありました。

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by totsutaki2 | 2016-03-17 22:30 | 読書

2016/3/16 ドストエフスキー 未成年

【走った距離】  5.9km
【今月の累積距離】  183.38km
【ペース】 平均 6'09"/km、 最高 5'59"/km
【天気】 晴れ 
【気温】 最高 14℃、最低 2℃
【体重】  65.1kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
ドストエフスキー 未成年
『罪と罰』、『白痴』、『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』と並ぶ
ドストエフスキーの五大長編作品のひとつで、4番目に出された
しかし五大長編の中でとりわけ難解で読みにくいと言われる
実際に読むのに3か月近くかかった

青年アルカージイと父親ヴェルシーロフが同時に一人の将軍未亡人に憧れ、悲劇を生む
ファザコンで庶子のアルカージイはこの小説の主人公だが、
魅力に乏しく実際には単なる狂言回し
本当の主役はその父親ヴェルシーロフ 
謎の多い魅力的な人物であるが、父親を理解できない青年の目を通して描かれるため
読者もヴェルシーロフを理解できない
クライマックスの悲劇に至る最後の50ページは素晴らしいが、
そこに至るまでの1200ページが退屈
巡礼者のマカール聖人や敬虔な母親ソフィヤなど魅力的なキャラクターが配されるが、
ドストエフスキーにしては人物造形が中途半端
ドストエフスキーの長編では「カラマーゾフの兄弟」の大審問官や
「白痴」のイポリート遺言などそれだけで古典作品になりそうな
サイドストーリーがあるのだが、そのようなものもなかった
しかしドストエフスキー愛読者としては絶対に読んでおくべき一遍
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by totsutaki2 | 2016-03-16 20:54 | 読書

2016/3/11 チェルノブイリの祈り2

【走った距離】  6.41km
【今月の累積距離】  101.28km
【ペース】 平均 6'21"/km、 最高 6'00"/km
【天気】 晴れ 
【気温】 最高 11℃、最低 2℃
【体重】  64.5kg
【コース】
淀駅~会社


【コメント】
父親

 妻と娘を病院に行かせました。
ふたりは身体じゅうに黒い斑点ができていました。
あらわれたり消えたり。
5コペイカくらいの大きさだったが、痛くもかゆくもないという。
検査をされました。
「検査の結果を教えてください」と頼んだら、
あなたがたのための検査じゃない」といわれた。
「じゃあ、いったいだれのための検査なんてすか?」

 当時はそこらじゅうでだれも彼もがいっていた。
死んでしまう、死んでしまう。2000年までにベラルーシ人は全滅してしまうだろうと。
ぼくの娘は6歳だった。
寝させようとベッドに入れると、ぼくの耳元でひそひそささやく。
「パパ、あたしね、生きていたい。まだちっちゃいんだもの」。
娘はなにも理解していないだろうと思っていたんです……。

 あなたは、頭がツルッルの女の子を一度に七人も想像できますか? 
病室にはそんな子が七人いたんです。
ああ、もうじゅうぶんだ! おしまいにします! 
話していると、ぼくの心が「おい、お前は裏切っているんだぞ」
とささやくのが聞こえるんです。
なぜなら、娘を赤の他人のように描写しなくちゃなりませんから。娘の苦しみを。
妻が病院からもどって、こらえきれずにいった。
「あんなに苦しむのなら、あの子は死んだほうがいいんだわ。
あるいは、私か死ねばいいのよ。これ以上見なくてすむもの」。
だめだ、もうじゅうぶんだ! おしまいにします! とても話せない。

 娘はドアのうえに横たえられました。
昔、ぼくの父が横たわったあのドアに。
小さな棺が届けられるまで。棺は小さかった。
大きな人形が入っていた箱のようでした。

 ぼくは証言したいんです。
ぼくの娘が死んだのは、チェルノブイリが原因なんだと。
ところが、ぼくらに望まれているのは、このことを忘れることなんです。

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by totsutaki2 | 2016-03-11 22:51 | 読書

2016/3/10 チェルノブイリの祈り1

【走った距離】  6.29km
【今月の累積距離】  94.87km
【ペース】 平均 7'01"/km、 最高 6'13"/km
【天気】 晴れ 
【気温】 最高 9℃、最低 4℃
【体重】  65.0kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
チェルノブイリの祈り―未来の物語
スベトラーナ・アレクシエービッチ

1986年のチェルノブイリ事故から10年経過した時点での被災者へのインタビュー集
ソビエトは敵国からの核攻撃を想定してを想定しシェルターやヨウ素剤を備蓄していたが、
原発事故は想定していなかったため、ヨウ素剤は配布されなかった
事故に対応できるシステムはなく、住民や作業員、兵士が犠牲になった
スベトラーナ・アレクシエービッチは昨年のノーベル文学賞受賞者
アフガン戦争の犠牲になった若い兵士を体制、反体制のいずれにも依らずに描いた
『アフガン帰還兵の証言』と同様に、本作ではチェルノブイリ原発事故を
原発肯定派、否定派のいずれにも立たず、犠牲者の視点で冷静に
静かな悲しみを湛えた目線でたどる

この本はチェルノブイリについての本じゃありません。
チェルノブイリを取りまく世界のこと、私たちが知らなかったこと、
ほとんど知らなかったことについての本です。
見落とされた歴史とでもいえばいいのかしら。
私の関心をひいたのは事故そのものじゃありません。
あの夜、原発でなにが起き、だれが悪くて、どんな決定がくだされ、
悪魔の穴のうえに石棺を築くために何トンの砂とコンクリートが必要だったか
ということじゃない。
この未知なるもの、謎にふれた人々がどんな気持ちでいたか、
なにを感じていたかということです。
チェルノブイリは私たちが解き明かさねばならない謎です。
もしかしたら、21世紀への課題、21世紀への挑戦なのかもしれません。
人は、あそこで自分自身の内になにを知り、なにを見抜き、なにを発見したのでしょうか? 
この本は人々の気持ちを再現したものです、事故の再現ではありません。


普通の人の言葉の中に真実がある
数編 印象に残ったインタビューを掲載する
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by totsutaki2 | 2016-03-10 22:52 | 読書

2016/1/7 女のいない男たち 村上春樹

【走った距離】  6.12km
【今月の累積距離】  118.34km
【ペース】 平均 6'27"/km、 最高 6'15"/km
【天気】 晴れ 
【気温】 最高 11℃、最低 5℃
【体重】  65.5kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
村上春樹の短編小説集

ノーベル賞受賞者のアリス・マンローやパトリック・モディアノの作品と読み比べ
前回の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が今一つだったので
この短編集も期待していなかった(だから今まで読んでいなかった)が
予想外によかった

いつものように村上春樹の洒落た比喩を楽しむ

・「マニュアル・シフトは好きです」と彼女は冷ややかな声で言った。
 まるで筋金入りの菜食主義者がレタスは食べられるかと質問されたときのように

・おそらくそれは永遠に理解されないままに終わってしまうだろう。
 深い海の底に沈められた小さな堅い金庫みたいに。

・顔の造作が全体的に華奢なせいで、「この男は個性や主張に
 やや乏しいかもしれない」という印象を人に与えそうなところくらいだ。
 ところがいったん□を開くとそういう第一印象は、
 元気の良いラブラドールーリトリーバーに踏みつけられた砂の城のように、 
 あっけなく崩壊してしまう。
 その関四弁の達者なしゃべりと、よく通る甲高い声に、人々はあっけにとられた。

・僕は沈黙を守っていた。コーヒー・スプーンを手にとって、
 その柄の模様を興味深そうに眺めていた。
 エジプトの古墳の出土品を精査する博物館の学芸員みたいに

・彼は手際よくスマートに、事をいささかも荒立てることなく、
 能う限り相手を傷つけないようなかたちで身を引いた。
 まるで影が、迫り来る夕闇に紛れ込むみたいに素早く自然に

それはおおむねかもめに空の飛び方を款えるようなものだったが
 いちおう念には念を入れて

猿にだって枝を掴み損ねる日はやってくる

・彼は思いもよらず深い恋に落ちてしまった。
 まるで賢いキッネがうっかり落とし穴に落ちるみたいに

・しがみつくように残ったいやな記憶の断片を、あるいはできれば
 忘れてしまいたい心配事を、濡れた雑巾で黒板を拭うようにきれいに
 消し去ってくれた。

・それから相手はそのまま、何も言わずに電話を切った。
 壊れやすい美術品をそっと床に置くみたいに

・僕にはわからない。疑問符の数が増えていくだけだ。
 子供がノートにゴム印を手当たり次第に捺していくみたいに

繰り返されるフレーズ

・うまく言葉が出てこなかった。大事なときに適切な言葉が出てこないというのも、
 僕の抱えている問題のひとつたった。
・何かがいったん決定されてしまってから、どうしてこうなってしまったのかと
 考え込んでしまうところも、僕の抱える問題のひとつだ。
・誰かにすぐ大事な相談をもちかけられてしまうことも、
 僕の抱える恒常的問題のひとつたった。
・決めの台詞を口にしすぎることも、僕の抱えている問題のひとつだ。

青豆も驚いたが、今回も変わった苗字が多い 
 家福、木樽、木野、渡会、羽原

面白かった短編は

イエスタディ
シェエラザード
木野
の3点

イエスタディ

「ノルウェイの森」の系統
完璧な関西弁を身に着けるように努力した東京の学生の話
イエスタディも関西弁で歌う
海外の翻訳家泣かせ
英語の翻訳を読んでみたい
比喩も多く、村上春樹はこの本の中で一番リラックスして楽しんで書いているように思える

シェエラザード

ヤツメウナギの前世の記憶をもつ女性

木野

「海辺のカフカ」の系統
長編化してほしい
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by totsutaki2 | 2016-01-07 23:16 | 読書

2016/1/6 暗いブティック通り、嫌なことは後まわし パトリック・モディアノ

【走った距離】  6.2km
【今月の累積距離】  112.22km
【ペース】 平均 6'58"/km、 最高 6'36"/km
【天気】 くもり 
【気温】 最高 13℃、最低 6℃
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
2014年のノーベル文学賞受賞者 パトリック・モディアノの2作

暗いブティック通り

アイデンティティを失い、浮草のようにパリで生きる人々の人生を描く
モディアノの代表作
枚方市立図書館に蔵書がなかったので今まで読めなかったが、
最近追加されたのでやっと読めた
過去の記憶を失った男がわずかな手がかりを見つけ、自らの過去を探し求める
しかし友人はすでに亡くなり、妻も行方が知れない
余韻を残した終わりかた
モディアノの作品はストーリーではなくシンプルな文体と
淡々とした雰囲気を楽しむことが多いのだが、この作品は珍しくストーリーがあった
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嫌なことは後まわし

モディアノの自伝的小説
両親がアフリカを興業巡回しているあいだ、弟とともに
両親の知人宅で暮らした少年の日の思い出
モディアノらしくハッピーエンドではない
中勘助の「銀の匙」のような淡い思い出の日々
一番好きなモディアノの作品かもしれない
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by totsutaki2 | 2016-01-06 23:11 | 読書

2015/12/7 謎とき『カラマーゾフの兄弟』

【走った距離】  6.29km
【今月の累積距離】  64.92km
【ペース】 平均 6'27"/km、 最高 6'10"/km
【天気】 快晴 
【気温】 最高 15℃、最低 7℃
【体重】  65.4kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
謎とき『カラマーゾフの兄弟』 新潮選書
謎とき『白痴』につづく江川 卓さんのドストエフスキーの謎解きの2冊目

『カラマーゾフの兄弟』の舞台を観てきた観客=読者に芝居の舞台裏を見せてくれる

ドストエフスキーが各場面に蜘蛛の糸のように張り巡らした仕掛けや
多元的な含意を劇場のツアーよろしく解説してくれる

人物設定やストーリーの裏には、最下層に聖書、ロシアの巡礼歌と
鞭身派及び去勢派のロシアの霊的キリスト教が通奏低音となっており、
その上に無垢の人ミーチャ、悪魔と付き合う無神論者イワン、
「現代」のキリスト アリョーシャ、ユダのスメルジャコフがフーガを織りなし、
主題のヴァリエーションを奏でる

カラマーゾフ好きには至福の書
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by totsutaki2 | 2015-12-07 22:42 | 読書

2015/11/24 アフガン帰還兵の証言 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ


【天気】 晴れ 
【気温】 最高 18℃、最低 13℃
【体重】  65.5kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
「アフガン帰還兵の証言 封印された真実」
今年のノーベル文学賞受賞者 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの1990年の作品

ロシアの若者とその家族の体験したアフガン戦争を淡々と記述したルポルタージュ
アフガン徴兵者は二十歳前後の兵士がほとんどだった

莫言の『赤い高粱』のようなむき出しの描写
オリバー・ストーンの映画「プラトーン」が大人しく思えるようなエピソード

戦士の肉体は爆破によって空中に四散し、生き残った者も腕か脚か、
あるいは両手両足を失い、たとえ無傷で生還しても精神はひどく傷ついている
全裸にされ、目玉をくりぬかれ、皮膚を剥がれた捕虜の遺体
遺体がどんなになぶられ、もしくは肉の破片の寄せ集めであることを隠すために、
重い亜鉛の棺が考え出された。蓋ははんだ付けされ、
肉親は息子の体を見ることができない

「アフガン帰還兵の証言 封印された真実」というタイトルは邦題で、
原題は亜鉛の棺になった少年たち

アレクシエーヴィッチは右にも左にも偏らず、事実を淡々と感情をこめずに描写する
何年もかけて数百人の人々に会い、取材を重ね、証言を取る
自分自身の解釈やコメントを最小限にとどめ、
無名の人々の声をできるかぎりそのままのかたちで再現する
いかにペレストロイカ、グラスノスチの時代とはいえこのような作家が
ソビエト連邦に生まれていたことに驚いた

まだ1冊しか読んでいないが、予約中の「チェルノブイリの祈り」も楽しみ
この本では、故郷ベラルーシの街チェルノブイリで起こった原発事故をルポしている
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by totsutaki2 | 2015-11-24 22:55 | 読書

2015/11/18 謎とき『白痴』

【走った距離】  3km
【今月の累積距離】  170.63km
【ペース】 平均 6'50"/km、 最高 6'21"/km
【天気】 曇りのち雨 
【気温】 最高 17℃、最低 16℃
【体重】  64.5kg
【コース】
淀駅~会社
【コメント】
ドストエフスキーの白痴を読んで、
「1回読んだだけではドストエフスキーが蜘蛛の糸のように配した
伏線の綾が読み取れない。
なぜフィリポヴナがムイシュキン公爵との結婚式から逃げ出したのか?
なぜその後、刺殺されなければならなかったのか?」
と感想を書いたが、そのあたりを確かめるために江川卓さんの「謎とき『白痴』」を読んだ。
ドストエフスキーの創作ノートから、
ムイシュキン伯爵にはのキリストとドン・キホーテが投影されていること、
ヒロインのナスターシャ・フィリポヴナはロシア正教の鞭身派の聖母を体現していること、
もう一人のヒロインのアグラーヤ・エパンチナはギリシヤ神話の三美神を著していることなど
興味深い設定を教えてくれる。
ただし
なぜフィリポヴナがムイシュキン公爵との結婚式から逃げ出したのか?
なぜその後、刺殺されなければならなかったのか?
については教えてくれなかった。

結局、ナスターシャはアグラーヤからムイシュキン伯爵を奪ったものの、
再び白痴のムイシュキンを責める日々にもどることができなかったから
ロゴージンの元に逃げたのであり、
ロゴージンはナスターシャが他に行くところがないことを理解しながらも、
再びナスターシャとの傷つけ合いの毎日は受け入れられず、
ナスターシャを刺したのだろう、と一人合点。

しかしその代償は大きく、ロゴージンは脳炎になってシベリアに流刑され、
ムイシュキンは本当の白痴に戻ってスイスの病院に送られ、
アグラーヤもポーランド亡命貴族に騙され失踪し、悲劇の結末となる。
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by totsutaki2 | 2015-11-18 21:52 | 読書

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